♦♦ 先端エネルギー工学専攻
♦♦♦  寺尾悠助教

このコラムを読まれている皆様(特に男性)の中で、「ZOIDS(ゾイド)」と聞いてピンとくる方は何人いらっしゃるだろうか?もしかしたら、昔実際に作られた方もいらっしゃるかもしれないし、現在6歳くらいのお子さんがいらっしゃる方々で、親子共々楽しまれている方もいるかも知れない。ゾイドはタカラトミー社が販売している、恐竜や動物をモチーフにしたロボットをプラモデル化したものだ。一般的にプラモデルというと、ガンダムのプラモデル(通称ガンプラ)や飛行機、軍艦などが有名だが、このゾイドの魅力はプラモデルとして作り終わった後もキットに内蔵されたモータと電池で動かして楽しめることである。そしてこの動作が本物の動物さながらに、非常にリアルなのだ・・・と書き始めてしまったが、先に断っておく。私はメーカーからの回し者ではない。
ゾイドは元々1980年代に発売されて大ヒットした後、1990年代終盤頃から再度復刻版が発売された。私はこの時にハマった人間だ。その後十数年近くを経て、2018年から再び新シリーズのプラモデルが販売されている。つまり現在は第三次ブームに当たる。先日、youtubeで久々に動画を見つけた瞬間に思わず昔のゾイド熱(?)に火が付き、数分後にはA〇azonのボタンをポチっと押してしまっていた・・・。
先にも書いたが、ゾイドの魅力は恐竜(ティラノサウルス、プテラノドン、トリケラトプス、etc…)から動物・昆虫(ライオン、ゴリラ、ワニ、カブトムシ、芋虫(!)、etc…)まで様々なバリエーションが存在し、モータと電池でそれらがリアルに動くことである。この動作の仕組みについても、モータの回転をギアのみで各部に伝えて恐竜の口の開閉、ゴリラのドラミング、プテラノドンの羽ばたきなどを表現しており、そのメカニズムは見事としか言いようがない。このような複雑なメカニズムを思いつくあたり、日本らしいなと感心してしまう。
さらに最近のキットは作って動かすだけでなく、キット販売と連動したスマホアプリ(無料)をダウンロードして、ジオラマ撮影が出来るようになっている。アプリ内にはジャングル、吹雪、爆発、雷などの写真フレームが用意されていて、フレーム内に作ったゾイドを置いて撮影すると、ジオラマ風の写真が撮れるという仕組みである。メーカー主催でジオラマ写真コンテストなどがSNS投稿方式で複数開催されているが、これがまた面白い!
実際にそのアプリを使って稚拙ながら私が撮影したものの一部が、以下に掲載された写真AとBである。昔はジオラマを作ろうとすると、模型屋に行ってあれこれビルや木などのスケールモデルを買ってきて、色を塗り、数日かけて作らなければならなかった。そして途中で面倒くさくなり、雑誌に載っているジオラマ写真を見ながら満足していたが、最近は百均やネットに落ちているフリー写真素材を組み合わせることで、かなり面白い写真を撮ることが可能である。二つの写真もゾイドアプリのフレーム写真を使って撮影し、フリー素材の写真に合成したものである。編集はiPhone内蔵の「iMovie」を使っており、撮影原価はほとんどかかっていない。強いて言うなら、百均で買った照明用のLEDライト100円分のみだ。
ここ最近、残念ながら新型コロナウィルスが原因による週末の外出自粛要請が出ているが、しばらくは「在宅ワーク」でジオラマ写真の撮影技術を磨き、いつかはコンテストで賞でも狙ってみようかなと思う今日この頃である。
最後にもう一度強調しておく。断じて私はメーカーの回し者ではない。

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