◆◆  国際協力学専攻
◆◆◆      本田利器 教授
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このコラムが掲載される頃には旧聞に属する話となろうが、7月に、東大は 2020年度からの大学入学共通テストに英語の民間試験が導入されることに 対して、懸念を表明した。多くの教育関係者から賛同意見があったとのことだ が、私も同意見である。
グローバル化が進む中,コミュニケーション能力が重要なのは分かる。しかし 、そもそも,入学試験は,学力という一面だけを計るものである。(したがっ て人間性の面ではむしろ多様性を確保できる制度である。)英語についても, 学力としての能力を計測すればよいのであり、「英語力」全てを計る必要は無 い。入試英語のせいで、読と書の技能が偏重されるという意見は根強いが、入 試科目にはない技能を有する人は多い。
また、利用が予定されている英語試験も気になる。例えばTOEFLが日本の高校 生の英語力を計るのに適切な試験だろうか。
ついでに言えば、大学や大学院の講義を英語で行うことも、留学生対応を含む 国際化という観点では反対しないが、英語能力を高める効果は疑わしいと思う 。そもそも日本の(私を含む)多くの大学教員の話す英語はそれほど質の高い ものでは無い。
これからの時代,英語の技能は重要であろう。だからこそ、英語を学ぶための 適切な環境を整備することが必要だろう。そしてそれは入学試験の趣旨にはそ ぐわないと思われる。
世界で活躍する新領域のOBの方々はいかがお考えであろうか?