創域会会員 各位

こんにちは、創域会事務局です。先日荒天に見舞われた日、我が家から100メートルほど先を突風(竜巻?)が通り抜け、家々の屋根瓦を吹き飛ばしながら進んでいくのを見ました。あまりの迫力に見入ってしまい写真や動画をとることも思いつきませんでした。本当なら窓のない部屋に非難したほうがよかったのかもしれませんが、その場にいると動けなくなるものですね。


♦♦  今月のコラムは 複雑理工学専攻
♦♦♦  佐藤直木 助教です。
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私から見たイタリアの教育システム

私は日本人とイタリア人のハーフで、イタリアで生まれ、大学卒業までイタリアで過ごした。その後、修士から東京大学に来てそれ以来日本に住んでいる。日本に来て、イタリアと日本の教育の違いを認識しており、ここでは、イタリアの教育について紹介したい。
まず、イタリアは小5-中3-高5-大3で高校生活が長くなっている。中学、高校、大学に入るのに受験というシステムは皆無で、入りたい学校・入りたい学部に誰でも入ることができる。小・中までは全員同じ内容の横並びの教育で、日本の教育と似通っている(ただし、受験勉強がないため、勉強を頑張る生徒はそれほど多くない。)

一方、高校からは専門性が分かれ、文系、理系、工業、IT、観光、スポーツ等、学べる内容が高校によって異なる。勉強が好き/できる生徒は文系または理系の高校を選ぶことが多い。文系高校では、ギリシャ語、ラテン語、哲学、歴史を中心に学び、理系高校では数学、物理、ラテン語を中心に学ぶ。ただ、高校は午後12時半で終わり、かつ大学受験も部活も塾もないため、友人との遊びを優先する生徒が大半である。私も例にもれず勉強は卒業するために必要な最低限の範囲で済ませていた。

大学は受験がないため、入りたい大学・学部を自分で選択する。ただ、イタリアの大学を卒業するのは簡単ではないため、油断して難しい学部に入学して結局卒業できないというケースが多く発生する。私の出身学部であるフィレンツェ大学物理学部を規定の3年で卒業できた生徒は0(残念ながら私も含む…)、4年で卒業できた生徒は全体の20%程度である。また、文系高校出身の学生が理系の学部を選択することも珍しくなく、私も文系高校から物理学部に入学した。当然、理転は大変な苦労を伴い、1年目は講義の内容を全く理解できず、全問正解だと自信のあった最初の数学のテストは0点だった。しかし、二年目以降、理系出身と文系出身の差は埋まってくる。これは、ラテン語等新しい言語を素早く習得する能力を集中的に高校時代に鍛えた文系出身学生が、数学・物理の数式を一種の言語として捉え、そのツールを習得するためである。文系出身の私も結果として、今では理論物理の研究者を志している。

このようにイタリアの教育は日本とは大きく異なる。今振り返ってイタリアの教育でよかった点は、高校時代に哲学やギリシャ語等の文系教科を専攻していたことで、これらは現在の研究にも生きていると確信している。

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リレーコラム、次回は先端生命科学専攻 鈴木雅京准教授です。

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柏の葉のようすはコチラから↓
You can see the photos here ↓
http://souiki-kai.net/archive/photo/

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<<創域会からお知らせ>>

創域会では、「修了生と在校生の共同参画活動支援制度」を今年度より開始します。この制度は、創域会の目的である修了生および在校生の交流と親睦をはかることの活性化のため、修了生と在校生が共同参画して行う活動に対して支援を行うものです。詳細につきましては、今後募集を開始する際に、創域会ホームページ及びメール
にてお知らせいたします。

Souiki-kai will start offering funding, which aims to support activities
conducted jointly by graduates and current students, in order to
stimulate the exchange and fellowship among the members.
Further details will be informed on our website and Souiki-kai news
magazine when we start accepting the applications.

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1.新領域創成科学研究科からのニュース

(a) 「めっき」を用いて高性能有機トランジスタを実現 -真空プロセスフリー・低コスト・ 低環境負荷なエレクトロニクス用電極として期待-
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry897/

(b) ポリマーブレンド印刷法により大気下、低電圧で駆動する高移動度有機単結晶トランジスタと相補型インバーターを開発
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry896/

(c) 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry895/

(d) ソニー、東京大学、JAXA 宇宙感動体験事業の創出に向けた共同開発・技術実証契約を締結 -技術実証実験を目的に人工衛星を共同開発-
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry894/

(e) 関節リウマチにおける間質性肺炎リスク遺伝子領域の同定  ~肺線維化に関わる胸部CT画像パターンと関連~
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry893/

(f) 世界で最も効率的なサンゴ分布調査ツール(Speedy Sea Scanner)を開発
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry892/

(g)史上最薄の高分子樹脂を開発

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry890/

2.人事公募

(a) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 環境システム学専攻 地圏環境システム学 研究室 特任研究員募集について 【応募期間 : ~2020年08月28日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/_20201001_0828.pdf

(b) 学術支援職員(遺伝子工学実験の補助)の募集 【応募期間 : ~2020年08月27日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/_CBMS_LMG200812.pdf

(c) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任研究員(特定短時間勤務) 募集要項 【応募期間 : ~2020年09月02日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/%28202008%29.pdf

(d) 海洋技術環境学専攻 技術補佐員 募集要項 【応募期間 : ~2020年08月26日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/10_entry61/

(e) 海洋技術環境学専攻 特任研究員(特定短時間勤務有期雇用教職員) 募集 【応募期間 : ~2020年08月26日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/10_entry62/

(f) 東京大学大学院新領域創成科学研究科・特任研究員(生命応答システム分野)の公募 【応募期間 : ~2020年08月31日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/IACS200803.pdf

(g) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 技術補佐員募集のお知らせ 【応募期間 : ~2020年08月31日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/_200731ban.pdf

(h) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 技術補佐員募集のお知らせ 【応募期間 : ~2020年08月31日】

http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/images/uploads/pdf/_20200803_motoki.pdf

3.新領域関連URL

(a) 東京大学柏キャンパス
http://www.kashiwa.u-tokyo.ac.jp/index.html

(b) 新領域創成科学研究科
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/

(c) 東京大学柏図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/kashiwa/

(d) 東大柏キャンパス-TX柏の葉キャンパス駅
シャトルバス運行案内 2017/04/01~2022/03/31
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/gsfs/shuttle-bus.html

 

◆創域会ホームページ Souiki-kai website
http://souiki-kai.net

◆東大校友会
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/alumni/tft/index.html

◆UTokyo Alumni
https://www.u-tokyo.ac.jp/en/alumni/alumni.html

 

【創域会事務局から】
(a) 本ニュースマガジンで、ニュースを流したい
同窓生はニュースを書き事務局宛にお送り下さ
い。本人確認のため創域会メーリングリストに
登録されているアドレスからお送り下さい。
(b) 創域会に入会希望の方(新領域創成科学研究
科に在籍していた方でまだ入会されていない人)
はメールにて、氏名、修了年、専攻名、住所を明記
の上、創域会事務局までお申し込み下さい。