創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科


◇◇ 今月のコラムは先端生命科学専攻
◇◇◇      鈴木雅京 准教授です
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私が柏キャンパスに来てからもうすぐ8年が経とうとしている。しかし、一向に柏キャンパスに慣れたという気分にはならない。恐らくそれは、柏キャンパスがもつ特徴の故だと思う。まず第1に、このキャンパスには学部が併設されていない。だから毎年日本中のあらゆる大学の学部生がやって来て、その大半が修士2年でキャンパスを後にする。また、柏キャンパスは国際化をモットーにしている。だから、毎年様々な国から多くの留学生が訪れては去って行く。
私の所属する専攻でもカリキュラムの国際化に向け、ほとんどの講義を英語で受講できるようになっている。先日英語で行った講義でのことだった。本郷キャンパスの他研究科の留学生が3人も受講しに来ていた。そのうち一人はとても熱心な学生で、講義の後彼との質疑応答に費やした時間はなんと40分にも及んだ。何より嬉しかったのは、彼が「ここまで基礎的なことを英語の講義で教わったのは初めてだ」と言ってくれたことだ。柏キャンパスの国際化という取り組みが、キャンパスの枠を越えて実際に機能していることを目の当たりにした瞬間だった。ここには確かに分野を越え、国を越えた出会いがある。そのお陰で、いつも新鮮な気分でいられる。だから8年経ってもここに慣れないのだろう。
8年経ったということは、自分もその分老化したということだ。年を取ると保守的になりがちだ。いまだに慣れない柏キャンパス特有の新鮮な雰囲気が時として煩わしく感じることもある。若さを保つため、自分は趣味を大事にしている。その点で柏は自分にとって最適の場所だ。私はサバイバルゲームが趣味だが、千葉県は日本一サバゲフィールドがある県だ。柏キャンパス付近にもフィールドが2カ所ある。また私は、妻の反対を押し切ってドライブ専用のセカンドカーを購入するほどドライブ好きだ。柏は筑波山に近い。筑波山麓の朝日峠は走り屋のメッカで、日本各地から車好きが集まる。つくば市から笠間に抜けるフルーツラインは日本に居ることを忘れてしまうほど快適なドライブを楽しめる。柏という立地を活かして趣味を満喫し、若さを持続しながら柏キャンパスにふさわしい教員であり続けたい思う。

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