『創域会』が発足したのはそれほど昔ではなく2003年度のことです。名称は公募で決まりました。新領域の学生受け入れ開始は1999年4月のことですから、2001年3月には最初の卒業生が巣立っており、2004年3月つまり2003年度には新領域最初の博士が誕生しています。建屋を見ると、2001年には生命棟、2002年には基盤棟1期工事、2003年には基盤棟2期工事が竣工しています。こうした新領域の黎明期に創域会は発足したことになります。
発足当初こそ活発だった『創域会』も、2003年情報生命科学専攻設置、2004年メディカルゲノム専攻設置、21世紀COE、総合研究棟竣工、2005年柏図書館竣工、生涯スポーツ健康科学研究センター設置、2006年にはいよいよ環境棟が竣工し、柏キャンパスへの移転が完了するといった新領域創成の慌ただしさの中で、次第に顧みられることもなくなっておりました。
2007年4月、雨宮慶幸研究科長の新執行部が発足すると、新領域10周年記念事業に向け同窓会組織の充実が諮られました。教育研究改善室と支援交流委員会が担当で、『創域会』に物心ともに梃子(てこ)入れすることになりました。教務係も、油井聡係長が手伝ってくれることになり、二人で創域会名簿を調べてみると、何と登録会員数21名という為体(ていたらく)でした。ここは何か起死回生の一発を考え出さないと、このままでは遅かれ早かれ『創域会』は消滅してしまうのではないかと思われるほどでした。そこで、無謀とは思いつつ、基盤系の助教の方々を中心に創域会担当幹事になっていただき、柏キャンパスの一般公開の2日目に第1回『創域会』大会を開催することにしました。強引に出席者を募ったこともあり、登録会員数の二倍を超える46名の方々が集まってくださいました。また、雨宮研究科長と大和裕幸副研究科長も駆けつけてくださり、大会と懇親会が一体となった本当に楽しい会でした。環境系の日高仁助教には「環境棟のデザインコンセプト」という講演をお願いして、環境棟に施された工夫の数々を教えていただきました。基盤系や生命系からの参加者が多かったせいもあり、ビールを飲みながらのこの講演にはみなさん感心すること頻(しき)りでした。
2008年度は、新領域10周年記念大会を錦の御旗に、新領域出身の助教に加え専攻長にも幹事になっていただいたので、会員も名簿上は140名を擁するまでになりました。新しく『創域会』担当になった教務の二ツ神和博係長とネットワーク管理室が、大会会場に柏図書館のメディアホール、懇親会会場にプラザ『憩い』の予約から何から手伝ってくれ、昨年の三倍にもなる120名の参加がありました。大会では新会則が承認され、新会長に物質系の助教の篠原佑也さん、副会長にはマップコンシェルジュ取締役の古橋大地さんと現教育研究改善室長が就任することが承認され、会則の大幅改訂も決まりました。恒例の講演会はUDCK副センター長の前田英寿先生に「柏の葉国際キャンパスタウン構想とUDCKの取組み」を講演していただきました。懇親会も盛況で卒業生同士もまた卒業生と在校生もそれぞれに旧交を暖めることができたように思います。
『創域会』は始まったばかりです。会員名簿が完備して、メーリングリストで、『創域会』発のニュースが卒業生の間を早く駆け巡るようになれば… と思っております。在校生も、『創域会』を通じて、OB訪問やOG訪問ができるようになるといいだろうなと思っています。今昔とはいっても、『創域会』は6年目ですし、大会も今年でまだ3回目です。『創域会』とその大会がこれからどうなっていくか? 楽しみはこれからです。