創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科


◇◇ 今月のコラムは複雑理工学専攻
◇◇◇  高坂洋史助教です。

柏の葉と言えば、一般には「柏の葉公園」ではなく、「柏餅」でしょう。5月5日の端午の節句でお目にかかる、柏の葉で餅をくるんだ和菓子です。なぜ、端午の節句に柏餅なのでしょうか。それは、柏の木は、厳しい冬を越えて新芽が出てくるまで古い葉が落ちないことから、家系が絶えない象徴とされ、縁起を担いで柏の葉で餅をくるんだ柏餅が食べられるようになったからだと言われています。柏の葉には、引き継がれることへの人々の思いがこめられているのです。柏市の広報紙によると、柏の葉公園の名前も、同様の縁起に由来するとのことです。
では、柏の葉公園に、本当に柏の木はあるのでしょうか。柏の葉公園のweb site
には、たくさんの樹木が挙げられていて柏の木がすぐには見つけられません。そこで、柏の葉公園の公園センターの方に伺ったところ、「園内に6本あります。」との明快なお答えをいただきました。教えていただいた場所に行くと、確かに柏餅の葉っぱが柏の木から伸びていました。
アイザック・ニュートンは、ロバート・フックに宛てた手紙の中で、「私が遠くを見渡せたのだとしたら、それはひとえに巨人の肩の上に乗っていたからです。」と書き、科学の発展は先人の努力が引き継がれ積み重なって成り立っていることを強調しました。この秋、柏キャンパスでは恒例のオープンキャンパスが予定されています。是非、柏キャンパスへ足を運んでいただき、公園で6本の柏の木を探したり、先輩から後輩へと柏の葉のように絶えず引き継がれ、発展している研究活動をご覧になったりしてはいかがでしょうか。
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