創域会会員 各位

こんにちは、創域会事務局です。今月のコラムは2本立てです。

◇    海洋技術環境学専攻
◇◇     平林紳一郎 准教授
◇◇◇

先日、柏の葉キャンパス駅で大学行きのバスに乗ろうとしていたところ、体格の良い外国人が周囲の人に写真撮影を求められているのをたまたま目にしました。良く見ると、そのような人だかりがいくつかあります。ここでようやく私も気がつきました。そうです。ラグビーのワールドカップのために来日しているオールブラックスのメンバーだったのです。
 私はラグビーというスポーツに特別な関心がある訳ではありませんが、不思議なことにこれまでの人生で何回か関わる機会がありました。最初は私が中学生のとき、当時ニュージーランドに留学をしていた姉がオールブラックスのTシャツなどのグッズをお土産に買ってきてくれたときに遡ります。当時の私はオールブラックスはおろかラグビーというスポーツ自体を全く知らないながら、黒地に白い羽根のようなマークに心を奪われて大事にしていた記憶があります(あれは羽根ではなくシダだったようですが)。次に高校生のとき、陸上部を引退して暇を持て余していた私は友人に誘われるままラグビー部に入部しました。団体競技特有の練習の厳しさが私には合わずすぐに辞めてしまいましたが、ラグビーボールの扱い方や各プレーヤーの基本的な動きなどはその際に身に付きました。その次は大学院生の時、交換留学先のオーストラリアでラグビーのワールドカップが開催されており、連日のように街中でパブリックビューイングやスポーツニュースで盛り上がっているのを目の当たりにし、ラグビー強豪国でのラグビーの注目度に驚きました。そして今年、日本でワールドカップが開催され、我らが柏の葉にオールブラックスが滞在しています。これも何かの運命なのでしょうか。今回は娘にラグビーのルールを教えながら応援したいと思います。

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◇ 2012年度環境システム学専攻博士課程修了 
◇◇  国立研究開発法人産業技術研究所 化学プロセス研究部門 
◇◇◇ コンパクトシステムエンジニアリンググループ 藤井達也氏

「どうも伝わらないな」

リレーコラムを学内以外の人にも・・・ということでご指名を受けた。新領域創成科学研究科を修了して、その直後から国立研究開発法人で研究員となり、現在7年目を過ごしている。修了して間もないフレッシュな感じでもなく、はたまたベテランでもない、ある意味中間的な年代にいる一研究者の雑感である。

さて、冒頭の「」の感想は、異分野の人向けのプレゼンや異分野の方との連携へ向けた打ち合わせを行ったときによく抱く感想である。私が新領域で学生だった頃、「学融合」というキーワードがよく言われていたし、私が所属していた専攻(環境システム学専攻)には、従来の学部の枠にとらわれず、多様な研究室が集まっていた。そのような環境の中で過ごしていたので、多様な聴衆の前で研究発表をしたり、あるいは逆に「異分野」の研究発表を聴講したり、という機会に恵まれていたと思う。しかし、いざ仕事として連携のための打ち合わせ・見学対応などの時の相手の反応を見るにつけ、このような感想を抱くことが少なくない。研究について伝えること自体難しいことではあるのだが、ある程度は伝わってくれないとお互いにとって時間のムダになりかねない。また、異分野の方とうまくコミュニケーションをとることは、研究の発展のため(研究課題解決や研究資金を得る等)に大事な要素である。

・・・というわけで、一所懸命準備するのだが、必ずしもうまくいかない。そして、どうやったらうまくいくのかと自問自答する。

私見であるが、話が伝わるポイントとして以下の2つがある:
1.論理構成自体が整理されている
2.相手のバックグラウンドにマッチしている

1.は練っていけばいいものになるので、時間さえあれば完成度はあげられるが、2.を失敗すると、結局全く伝わらないということになってしまう。だが、この2.が難しい。相手のバックグラウンドを完全に把握することはできないので、そもそも難題であるが、少なくとも「相手」を想像し、「なるべく」その相手の背景を踏まえた説明のレベルに合わせる努力をすることが重要なのではないか。しかし、その相手も多種多様である。「異分野」といっても近い分野から遠い分野まで様々ある。さらに、研究者でない相手にも研究の内容をうまく伝えることが重要となる場面も多い。

いかに相手を想像できるか、その想像力にかかっており、その想像力は経験によって培われる・・・とすれば、日々の積み重ねが重要なのだろうと思う。しかし、研究者は視野が狭くなり、相手を「想像」することを忘れたり、それがおろそかになったりしがちである。しかし、折に触れて、相手を「想像」する、ある種の「おもいやり(おもてなし?)」の気持ちを持つことが、想像力を培うための経験を積み重ねるうえでも重要なのではないかと感じる。(そういう意味では、新領域は格好の経験を積む場だと改めて感じる。)

伝える側としても、伝えられる側としても「どうも伝わらないな」と感じた、国際会議の帰りにて

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リレーコラム、次回は人間環境学専攻 蜂須賀知理助教です。

今月の柏の葉のようすはコチラから↓
You can see the photos here ↓
http://souiki-kai.net/archive/photo/

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<< 創域会大会 開催のお知らせ 
    Souiki-kai Annual Meeting 2019 >>

創域会年次総会を柏キャンパス一般公開に合わせ10月26日(土)に開催します。皆様のお越しをお待ちしています。
We are pleased to inform that Souiki-kai annual meeting will be held on
Saturday, October 26th in Kashiwa campus. We hope that many alumni will
come to the event.

2019年度 創域会大会 Souiki-ka Annual Meeting
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10月26日(土)(柏キャンパス一般公開最終日)

16時50分~17時30分 総会  柏図書館メディアホール
          Annual Meeting at Media Hall, Kashiwa library
           特別講演 雨宮慶幸特任教授
           Special lecture: Project Prof. Yoshiyuki Amemiya
          「新領域創成科学研究科の次の20年に向かって
             ー創設21年目を迎えてー」

17時45分~19時00分 懇親会 プラザ憩
          Party at IKOI
           一般会費 2,000円 学生会費500円
           Fee 2,000yen (students 500yen)

<< 2019年東京大学ホームカミングデイに参加します
2019 UTokyo Homecoming Day >>

東京大学のホームカミングデイが10月19日(土)本郷にて開催されます。
多くの同窓会が種々様々なイベントを企画し、大変活気のある催しです。
お子様が参加できるイベントもありますのでご家族で楽しめます。
創域会は出口研究室の柏の葉コミュニティ屋台を持ち込み、サケ餃子を販売
する予定です。どうぞお立ち寄り下さい。
Souiki-kai participates in UTokyo Homecoming Day in Hongo campus and
sells salmon dumplings on Saturday, October 19th. Please visit our
“Kashiwanoha community stall” on the Ginkgo Avenue.

東京大学ホームカミングデイ https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/hcd/index.html
About UTokyo Homecoming Day https://www.u-tokyo.ac.jp/en/alumni/hcd.html

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1.新領域創成科学研究科からのニュース

(a)銅に色素を塗るだけでスピン変換機能を発現

(b)室温で磁場により電気が100倍流れ易くなる物質を発見

(c)物質系専攻の木村薫研の桂ゆかり助教が日本熱電学会でダブル受賞

(d)物質系専攻の木村薫研の岩崎祐昂君(D1)が日本熱電学会で受賞

(e)自然環境学専攻の久保麦野助教が、2019年度日本哺乳類学会奨励賞を受賞

(f)前立腺がん若年発症のゲノム診断
-前立腺がんのゲノムワイド関連解析からゲノム医療へ-

(g)先端生命科学専攻の永松大輝さん(M2)が、学会で優秀発表賞を受賞しました

(h)微結晶試料のテラヘルツスペクトルから物質固有のキャリア移動度を評価
~高移動度有機半導体の探索に活用へ~

(i)日本人の身長に関わる遺伝的特徴を解明-19万人の解析から日本人の身長に関わる遺伝的要因の謎に迫る

(j)第57回日本生物物理学会年会において、物質系専攻M2の石原正輝君(佐々木研究室)が学生発表賞を受賞しました

2.人事公募

(a)マテリアルイノベーション研究センター(MIRC) 学術支援専門職員 募集 【応募期間 : ~2019年10月23日】

(b)
東京大学新領域創成科学研究科「学術支援職員」募集について 【応募期間 : ~2019年12月27日】

(a) 東京大学柏キャンパス
http://www.kashiwa.u-tokyo.ac.jp/index.html

(b) 新領域創成科学研究科
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/

(c) 東京大学柏図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/kashiwa/

(d) 東大柏キャンパス-TX柏の葉キャンパス駅
シャトルバス運行案内 2017/04/01~2022/03/31
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/gsfs/shuttle-bus.html

 

◆創域会ホームページ Souiki-ka website
http://souiki-kai.net

◆東大校友会
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/alumni/tft/index.html

◆UTokyo Alumni
http://www.u-tokyo.ac.jp/en/alumni/alumni.html

◆東京大学キャリアサポート室 Career Support Office
http://www.careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/

【創域会事務局から】
(a) 本ニュースマガジンで、ニュースを流したい
同窓生はニュースを書き事務局宛にお送り下さ
い。本人確認のため創域会メーリングリストに
登録されているアドレスからお送り下さい。
(b) 創域会に入会希望の方(新領域創成科学研究
科に在席していた方でまだ入会されていない人)
はメールにて、氏名、修了年、専攻名、住所を明記
の上、創域会事務局までお申し込み下さい。