創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科

創域会会員 各位

こんにちは、創域会事務局です。創域会の”修了生の交流と在校生の共同参画活動支援制度”は会員同士の活発な交流を応援するために立ち上げられたプロジェクトです。コロナによる制限がある現在、対面での活動はなかなか難しいかもしれませんが、ぜひ多くの人にこの制度を知ってもらいたい。興味を持たれたら https://souiki-kai.net/support/ をご覧ください。

◇ 11月のコラムは
◇◇   メディカル情報生命専攻
◇◇◇   山岸誠特任講師です

新領域創成科学研究科の代名詞とも言える「学融合」。当コラムには不適当とご指摘があるかもしれないが、感染症研究にも携わる端くれとして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生時に起こった世界中の異分野の連携を時系列でご紹介したい。

2019年12月初旬、第1例目の感染者発見(中国、武漢)。
2019年12月31日、中国における感染者クラスターが初めてWHOに報告。
2020年1月29日、ウイルスゲノムが解読(Lancet 395, 565-574, 2020)。
2020年2月3日、新型コロナウイルスがコウモリから派生したことがゲノムレベルで判明(Nature 579, 270-273, 2020)。
2020年2月19日、ウイルス表面のSpikeタンパク質の人工合成及び立体構造解明(Science 367, 1260-1263, 2020)。
2020年2月25日、宿主(ヒト)の受容体(ACE2)同定(Cell 181, 271-280, 2020)。
2020年3月4日、Spikeタンパク質とACE2の立体構造解明(Science 367, 1444-1448, 2020)。

新たなコロナウイルスによる感染症の存在が明るみに出てから、ウイルス(SARS-CoV-2)ゲノムが解読され、宿主(H. sapiens)とのインターフェースが決定されるまでわずか3ヶ月。この驚異的な研究加速には、2002年に流行したSARSをはじめとする新興・再興感染症の経験、研究データの貢献が大きい。さらに、ゲノム解析をはじめとする解析技術、情報解析手法の進歩は欠かせない。これらの基礎研究の成果は、後にPCRや抗原による検査技術、ワクチン開発、治療法開発、感染症疫学、変異株対策へと応用、融合、展開され、社会レベルの感染症対策へと実装されていった。ウイルスは自然選択や免疫的な選択圧などによって進化する。パンデミックとなった感染症を相手にするには、医学、微生物学、免疫学、公衆衛生学、数学、数理統計学、疫学、さらには、経済学、環境学、社会学などの学際的な協力なくしては、終息は望めないだろう。
上記は生物学が軸となった研究成果のごく一部を紹介した。純粋な学問と高度な技術によって裏打ちされた基礎研究と学際的な展開、融合の重要性が改めて世界に示された1例と考える。もしお時間があれば、上記の原著論文をぜひご一読いただきたい。結論が明快で他分野の方にも読みやすく書かれており、いずれもすでに数千回以上引用されている。新たな感染症の発生に対峙した当時の切迫感、焦燥感、そしてサイエンスの質の重要性を感じていただけると思う。研究は競争の世界だが、競う相手は同業の研究者ではなく、未知の感染症だった。

人類の歴史は感染症との戦いの歴史でもある。天然痘(天然痘ウイルス)、ペスト(ペスト菌による黒死病など)、スペイン風邪(H1N1インフルエンザ強毒株)などの悪名高い感染症により、人類は幾度となく感染症の大流行を経験し、各時代において数億の人命が犠牲になった(さまざまな統計による諸説あり)。しかし同時に、1798年のジェンナーによるワクチンの発見を皮切りに、各種病原体の同定、抗生物質の発見、医療や公衆衛生の改善などよって、さまざまな感染症を乗り越えてきた歴史でもある。現代の3大感染症(結核、エイズ、マラリア)に対して割って入ったCOVID-19。これまでの歴史を踏まえれば、さらに新たな感染症の発生に対しても決して油断できない。人類の叡智を結集、融合し、感染症に対するレジリエントな社会形成はこれからまさに必要とされるだろう。

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リレーコラム、次回は自然環境学専攻です。

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♦♦ 創域会大会 開催報告 ♦♦

令和3年度の創域会大会を10月23日(土)をオンラインで開催いたしました。
恒例の卒業生による特別講演には、WOTA(株)山田諒氏(2013年サステイナビリティ学教育プログラム修士課程修了)をお迎えしました。
沢山の方にご参加いただき、御礼申し上げます。

■■■ キャリアパスセミナー(留学生対象)開催のお知らせ■■■
Career path seminar for international students

Are you interested in finding a job in Japan?
Souiki-kai is pleased to announce the holding of a career path seminar for international students.

In the first part of the seminar, we will welcome alumni of international students who work for Japanese companies. They will talk about their jobs, job hunting experiences, and the research life they had at GSFS, etc. In the second part, the instructor from Mynavi, will share the basic ideas on job hunting in Japan.
No reservation is required. We look forward to the participation of many students!
* Note: The seminar is all conducted in the Japanese language.

Guest Speaker:
Ms. Lang Yusheng 朗雨生 from AGC
(Advanced Materials Science 2014 graduate)

Mr. Liu Yuan from Ericcson Japan
(Environment systems 2020 graduate)

date and time: November 22, 17:00-18:30
zoom:
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/82880516428?pwd=TFRhc3F3MFhaczEzbjdjZCtyWEFnZz09
meeting ID: 828 8051 6428
pass cord: 496085

cotanct: Souiki-jimu@edu.k.u-tokyo.ac.jp

日本での就職に興味はありませんか?
11月22日(月)17:00より留学生対象のキャリアパスセミナーを開催します。
日本で就職された新領域OB2名をお迎えし、ご自身の就活体験や現在のお仕事について、新領域での研究生活や思い出についてお話しいただきます。質疑応答の時間もありますので、どしどし質問してください。
セミナー後半では、就活情報のスペシャリスト、マイナビから講師をお招きし、日本での就職活動について基礎から教えていただきます。
予約は不要です。ぜひご参加ください。(セミナーは日本語で行われます)

<OB登壇者>
郎雨生 様(物質系専攻修士課程2014年修了)
AGC株式会社

劉源 様(環境システム学専攻修士課程2020年修了 )
エリクソン ジャパン

Zoomアドレス
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/82880516428?pwd=TFRhc3F3MFhaczEzbjdjZCtyWEFnZz09
ミーティングID: 828 8051 6428
パスコード: 496085

お問い合わせは創域会事務局までどうぞ。
souiki-jimu@edu.k.u-tokyo.ac.jp
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1. 新領域創成科学研究科からのニュース

(a) KOIL MOBILITY FIELDにて 電気自動車(EV)への走行中給電の実証実験を開始
~道路からのワイヤレス給電を通じ、低炭素社会実現に貢献~
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/4141.html

(b) 物質系専攻 車地助教が第16回(2022年)日本物理学会若手奨励賞を受賞
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/award/4175.html

(c) 水たまりに油膜ができる現象を利用して高機能シート材料を簡単に作製―センサや電池向けのナノ材料を常温常圧下で作製可能に―
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/4170.html

(d) 社会文化環境学専攻佐藤淳研究室の学生チームが「銀茶会の茶席」で最優秀賞を受賞 (2021/10/28)
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0113_00232.html

(e) 先端生命科学専攻 鈴木雅京 准教授が貞明皇后記念蚕糸科学賞を受賞
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/award/4167.html

(f) ポリマー半導体の高性能化に向けた新たな分子デザイン手法を開発
―ポリマー主鎖のπ電子を非局在化して半導体性能を20倍以上に向上―
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/4165.html

(g) 大腸がんが免疫の攻撃から逃れる機序を解明
がん細胞の認識に関わる分子の異常による免疫回避を明らかに
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/4162.html

(h) 未熟な行動出力の感覚フィードバックを介した運動回路の自己構築
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/news/4160.html

2.人事公募

(a) 東京大学大学院新領域創成科学研究科 学術専門職員募集要項
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/uploads/20211102_job.pdf

(b) (新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻鈴木穣研究室)特定短時間特任専門職員a 募集
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/uploads/%E5%85%AC%E5%8B%9F%E5%B1%8A%E5%87%BA%E6%9B%B882%20%E9%88%B4%E6%9C%A8%E7%A9%A3%E7%A0%94%20%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%9F%AD%20%E7%89%B9%E4%BB%BB%E5%B0%82%E9%96%80%E8%81%B7%E5%93%A1a.pdf

3. 新領域関連URL

(a) 東京大学柏キャンパス
http://www.kashiwa.u-tokyo.ac.jp/index.html

(b) 新領域創成科学研究科
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/

(c) 東京大学柏図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/kashiwa/

(d) 東大柏キャンパス-TX柏の葉キャンパス駅
シャトルバス運行案内 2017/04/01~2022/03/31
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/gsfs/shuttle-bus/2019shuttlebus_20191129_j.pdf

◆創域会ホームページ Souiki-kai website
http://souiki-kai.net

◆東大校友会
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/alumni/tft/index.html

◆UTokyo Alumni
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/alumni/tft/index.html

【創域会事務局から】
(a) 本ニュースマガジンで、ニュースを流したい
同窓生はニュースを書き事務局宛にお送り下さ
い。本人確認のため創域会メーリングリストに
登録されているアドレスからお送り下さい。
(b) 創域会に入会希望の方(新領域創成科学研究
科に在籍していた方でまだ入会されていない人)
はメールにて、氏名、修了年、専攻名、住所を明記
の上、創域会事務局までお申し込み下さい。

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