創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科

創域会会員 各位

こんにちは、創域会事務局です。子育てもほとんど終わり、いまや飼い猫の健康に一喜一憂する平穏な日々ですが、今月の石川先生のコラムを拝読して、俄然前向きなエネルギーが湧いてきました。
会員の皆様、本年も創域会の活動をご支援いただき誠にありがとうございました。どうぞ良い年をお迎えください。

◇  12月のコラム
◇◇ 先端生命科学専攻
◇◇◇  石川麻乃准教授

2021年春に柏の葉に着任してから、3度目の冬を迎えた。その間、妊娠、出産、ワンオペ育児の開始、と、ライフイベントが怒涛のように押し寄せ、毎日が一瞬にして飛び去っていくような、それでいて、もうずっと長くこのキャンパスにいるような不思議な感覚を抱いている。1歳児のワンオペ育児と研究の両立を目指す毎日は、借り入れと返済を繰り返す正に自転車操業で、このコラムの原稿も御多分に洩れず、〆切を大幅に過ぎており、平身低頭である。
 とはいえ、この間までむっちりとした新生児だった子が、つかまり立ちし、歩くようになると、ほんの少しずつ、自分自身も研究活動の場に戻ることができるようになってきた。その一つが、学会や研究会への参加だ。日々の生活もままならない親1人子1人の状況で、何も好き好んで知らない土地に殴り込みに行かなくても良いのだが、着任前からコロナ禍で対面交流を渇望していた身として、再開し始めた現地開催学会への参加は、今年、何としても成し遂げたい課題だった。
 「いけるんじゃない?」と思わせてくれたのは、コロナ禍前、スイスのワークショップでご一緒した女性研究者の姿だった。欧州、北米、日本の研究者15名ほどで総説を書こう!と集まった場に、彼女は首が座る前の赤ちゃんと参加していた。付き添っていたのは、彼女のお父さん(赤ちゃんのおじいちゃん)で、議論が白熱する部屋の窓から、ベビーカーで散歩する2人の姿が見えた。ワークショップ後半には、みんなが作業するテーブルの上に赤ちゃんがころんと転がっていた。そうか、こんな在り方があるんだ、と驚嘆した情景が、背中を押してくれた。
 今年の夏、私が講演したシンポジウムは、その名も「進化学者が子を抱えてガッツリ研究発表する。果たして無事終えることができるのか?!」である。タイトル通り、講演者5名中4名が会場に子供を連れながら、本気で研究発表をした。私もタイトルを体現するべく、子を抱っこして講演してみた。開催地・沖縄の朗らかな空気と、実行委員会の細やかな気遣いに助けられ、会場は立ち見が出る盛況ぶりで、シンポジウムは大成功だった(※)。
 それから早3ヶ月、ちょうちょ!と呟きながら草むらを走るようになった子を見て、次はどの学会に参加しようか、と腕まくりしている。そしてその姿が、次の誰かの「いけるんじゃない?」になるといいな、と願っている。

※シンポジウムの詳細や学会の子連れ参加者へのサポートについては日本進化学会ニュースの特集記事として掲載されます。(3月頃一般公開の予定)

シンポジウムの様子はこちらの写真でご覧になれます。
http://souiki-kai.net/2023/12/25/202312co/

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2024年1月のリレーコラムはメディカル情報生命専攻、山岸誠准教授です。

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リレーコラム バックナンバーはこちらでお読みになれます。

リレーコラム Columns

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1.  新領域創成科学研究科からのニュース

(a) 宇宙線測位の世界記録を大幅に更新
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10630.html

(b) 硬くて丈夫なゲル電解質―フレキシブル電池の耐久性向上に期待―
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10623.html

(c) 物質系専攻 女屋崇助教がIWDTF2023にてIWDTF Young Researcher Awardを受賞
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/news/10635.html

(d) 遺伝子の転写開始点の検出法TSS-seq2を開発 ―メッセンジャーRNAの5’末端を高い特異性で検出 ―
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10636.html

(e) 細胞小器官の膜を溶解する酵素の活性化機構を解明
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10691.html

(f) メタンハイドレートの開発の評価シミュレーションモデルを開発 ― 先例のないシステムに対する議論を促進 ―
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10682.html

(g) 血中・尿中に含まれる患者特有のがん由来DNA検査で上部尿路上皮癌の術後再発を検出する方法を開発
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/10685.html

(h) 久田俊明名誉教授が瑞宝中綬章(令和5年秋の叙勲)を受賞
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/award/10673.html

2.  新領域関連URL

東京大学柏キャンパス
http://www.kashiwa.u-tokyo.ac.jp/index.html

新領域創成科学研究科
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/

東京大学柏図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/kashiwa/

東大柏キャンパス-TX柏の葉キャンパス駅
シャトルバス運行案内
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/gsfs/access/timetable/

新領域広報室
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(b) 創域会に入会希望の方(新領域創成科学研究科に在籍していた方でまだ入会されていない人)はメールにて、氏名、修了年、専攻名、住所を明記の上、創域会事務局までお申し込み下さい。

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