先日、富山県を流れる神通川を上流から下流まで1泊2日で視察してきたので、その所感を紹介させて頂きたい。これまでJSTの流域治水の推進に関する研究プロジェクトで、神通川下流の水田域における田んぼダムの効果検証を行ってきたが、上流域を訪問したことがなかったため、急遽訪れることにした。神通川の上流域は岐阜県内に位置し、川の名前も宮川と呼ばれ、神通川ではない。上流に位置する高山市街には歴史的な史跡が多く存在し観光地化が進んでいるが、高山陣所では江戸期の水田面積やコメ生産の状況について学ぶことができ、農学で学んだ自分にとっては大変刺激的な場所であった。また、1700年代の精巧な河川図も展示されており、当時の測量技術の高さがうかがえた。その後、飛騨市にある東京大学のカミオカラボを通過して、中流域に多数建設されている発電用ダムをめぐり神通川第1~第3ダムを視察しながら、神通川の水量の豊かさを実感した。下流域に入ると扇状地である富山平野が広がり、水田と市街地が多くなる。富山県立イタイイタイ病資料館では、イタイイタイ病の恐ろしさと克服の歴史、大学の授業でも扱う水田土壌のカドミウム汚染と対策について、改めて学ぶことができた。環水公園には世界一美しいとされるスターバックスがあり、川を通じた学びとともに、富山にはおいしい食べ物とお酒が豊富にある。ぜひ機会があれば訪れてみて頂きたい。