創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科


◇◇ 今月のコラムは物質系専攻 篠原佑也助教です
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半分だけ完成した基盤棟に、本郷から私が引越してきたのは2002年7月31日でした。
卒論配属されてまだ3ヶ月強、研究生活に対する漠然とした高揚感と、空室だらけの基盤棟から感じる開放感とがいい具合に交じり合い、つくばエクスプレス開通前で不便ながらも東京から日々気持ちよく通っていたのを昨日のように思い出します。
それ以来、学生、教員として14年過ごし、自分の机、部屋は引越時と変わらない一方で、キャンパスや周辺環境はすっかり変わりました。好きなだけ球技ができた空き地や毎夕飛び回っていたおびただしい数のムクドリがいた草むらはすっかり建物で覆い尽くされ、夜ごと多くの学生が遊んでいた隣のバッティングセンターもなくなりました。車やバイク無しではキャンパスでの生活が大変だったのが、隣のゴルフ練習場が大型スーパーになりました。娘が生まれてからようやく記憶だけでなく記録にも残すことの大切さを認識したのですが、柏キャンパスに関しても変わりゆく風景を写真等で定点観測する機会を逸してきたことを少し後悔しています。
今年も例年通りに10月には柏キャンパスの一般公開にあわせて創域会大会(同窓会)が開催されます。風景や出来事の変化が激しいため、同窓会の定番「昔話」の共通話題は少ないかもしれません。しかし創域会というこの若い同窓会、まだ構成員がほぼ20代、30代で、様々な分野の第1線でまさにこれから活躍していく年代かと思います。昔話に花を咲かせる場ではなく、未来を語り合う場として同窓会を捉え、ぜひ今年の10月には柏キャンパスまで足を運び、変わりゆくキャンパス内外の風景とともに楽しんでいただければと思います。
⇒ 8月 
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