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♦♦ 自然環境学専攻
♦♦♦ 寺田徹准教授
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2021年12月現在、コロナの沈静化にともなって、多少ですが学生や教員と対面のコミュニケーションを取ることが増えてきました。研究室活動も活発になり、全体的によい調子です。
少し振り返ってみると、コミュニケーションの機会そのものが増えたことよりも、対面の後ろめたさ(世間的な同調圧力)をそこまで感じなくてよい状況になった事が、「よい調子」につながっているように思います。つまり、重要なのは、コロナのリスクが許容できるレベルになり、コロナに対する「社会的な認識」が変わること、なのでしょう。しかしオミクロン株のこともありますので、まだまだ油断は禁物です。
さて、私の専門である造園学は、自然環境に手を入れて、あるいは新しく自然的環境をつくり出すことにより、空間、時間、そして人間(じんかん)という3つの「間(ま、あいだ)」を良くすることを追求する、実践的な学問です。しかし、「よい空間」「よい時間」「よい人間(人と人との距離感)」というのは、造園に限らず、社会生活全般で重要と思います。対面が増えて「よい調子」になるのは、やはり対面のほうが、この3つの「間」をよりよいものにできるからではないでしょうか。
リモート会議では時間は共有していますが、空間、人間はバーチャルです。またオンデマンド講義になると時間すら共有する必要がなくなります。時間や空間の制約がないということが、「いつでも」「どこでも」アクセス可能というリモートの良さにつながるのですが、それがすべてになってしまうと、どうも「間」が悪くなってしまいます。これからは対面とリモートの適切なハイブリットを探し、それを実現するキャンパス環境整備やまちづくり、技術的整備、ソフト面での仕組みづくりを行うことが重要と言えます。