創域会 東京大学大学院新領域創成科学研究科


◇◇ 今月のコラムは複雑理工学専攻
◇◇◇      辻井直人 助教 です。
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新年あけましておめでとうございます。良き新春をお迎えのことと、お喜び申し上げます。私が専門とする核融合業界では、世界最高性能を持つことになるトカマク装置JT-60SA(量子科学技術研究開発機構) の完成を来年に控え、可能となる様々な実験について議論が盛り上がっています。
核融合炉は1950年代にトカマクが発明されて以降、正味の核融合出力を得られるまであと一歩というところまで来ています。
しかし、2000年以降は、世界各国での経済状況の悪化等により、新しい装置を作ることができなくなり、性能が頭打ちになっています。
JT-60SAは世界最大級のトカマクとしては実に20年ぶりの新しい装置で、その成果が期待されています。
また、一昨年には、ドイツのステラレーターW7-X (マックスプランク研究所)での物理実験が本格的に始まりました。ステラレーターの性能は一般にトカマクには劣りますが、このW7-Xは、理論的にはトカマクにほぼ匹敵する性能が出せる可能性があると言われています。
日本のステラレーターLHD (核融合科学研究所)でも昨年から重水素実験が始まり、核融合研究は、今後数年の間に大きく進展することが期待されます。
修了生の皆様は様々な分野で活躍されていることと思いますが、思うように物事が進まず苦労されることも多くあるのではないでしょうか。
そのようなときでも、自分の信じる道を粘り強く進んでいって欲しいと思います。
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

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